一番ではなく、オンリーワンを選ぶ理由
広野幼稚園が目指すのは、宇治市を中心とした地域でいちばん「子どもが育つ教育施設」になることだ。順位を競う一番ではなく、様々な領域でオンリーワンでありたいという考え方が、保育のすみずみに行きわたっている。この姿勢は、園が掲げる9つの特色という形に整理され、日々の判断のよりどころになってきた。先生が決めすぎず、子ども自身の伸びしろを信じる構えが、その根にある。
教育の柱は、二つの時間の組み合わせにある。先生が進める設定保育では意欲や集中力を、自分で活動を選ぶセレクト式保育では発言力や行動力を育てる。学ぶ場面と遊ぶ場面にメリハリをつけることで、時と場合に応じて動ける力へとつながっていく。
チャイムを鳴らさない日が教えること
特色の一つに、ノーチャイムデーの取り組みがある。チャイムの合図で動くのではなく、時計を見て自分で次の行動を考える日を設けることで、指示待ちではない判断力が養われていく。小さな子どもが時間を意識して動くという経験は、園生活の先にある学校生活や社会生活へもつながっていく。正直、チャイムをあえて止めるという発想に、園の教育観の一貫性を見た気がした。
小さな成功を積み重ねる進め方
広野幼稚園のスモールステップ教育法は、はじめから高い課題を課さず、越えられる段階を一つずつ用意していく。できたという手ごたえが重なるにつれ、次へ挑もうとする気持ちが子どもの内側からわいてくる。急いで結果を求めない進め方が、挑戦をこわがらない心を育てていく。
この積み重ねは、子どもだけの努力に任されてはいない。保育者が一人ひとりの発達段階を見ながら、次に越える一段を手元に用意していく。学ぶ力の土台を、焦らず時間をかけて築く姿勢が、園の教育方針の全体を貫いている。

