住宅から福祉施設まで対応する建築設計の実績
住宅設計では、家族構成の変化を想定した可変性のある間取りを得意としており、子育て世代から高齢者まで長期間住み続けられる住環境を提案しています。商業施設においては、店舗のブランディング戦略を建築面からサポートし、顧客の購買行動を促進する空間レイアウトを実現。医療施設では、患者の心理的負担を軽減する色彩計画と、医療機器の配置を考慮した動線設計を両立させています。オフィス設計では従業員のコミュニケーションを活性化するオープンスペースの配置に定評があります。
取材中に印象的だったのは、プロジェクトごとに異なる専門知識を駆使している点です。福祉施設の設計では車椅子利用者の動線幅や手摺の高さまで細かく検討し、実際の介護業務を体験した上で設計に反映させているといいます。このような現場主義の姿勢が、STUDIO.Hの設計に説得力を与えています。
模型とCGを活用した視覚的プレゼンテーション
クライアントとの打ち合わせでは、専用の模型制作室で作られた建築模型を用いて空間イメージを共有しています。平面図だけでは伝わりにくい天井高や採光の具合も、模型を通じて直感的に理解してもらえるため、設計変更の回数が大幅に減少。CGパースでは実際の家具配置や植栽まで再現し、完成後の暮らしをリアルに想像できる資料を提供しています。設計段階での意思疎通の精度が高まることで、施工後のトラブルやクレームはほとんど発生していません。
現場監理においては、STUDIO.Hの建築士が週2回以上現場を訪問し、図面通りの施工が行われているかを確認しています。職人との直接対話を重視しており、施工上の疑問点があれば即座に設計者と相談できる体制を整備。竣工から半年後には必ずクライアントを訪問し、実際の住み心地や使い勝手についてヒアリングを実施しています。
環境配慮とコスト効率を両立する建材選定
STUDIO.Hでは、地域産の木材を積極的に採用することで、輸送コストの削減と地元林業の活性化を同時に実現しています。断熱材には天然素材を選択し、化学物質による室内空気汚染を防ぎながら、優れた断熱性能を確保。外壁材や屋根材の選定では、初期コストだけでなく20年間のメンテナンス費用まで試算し、ライフサイクルコストの観点から最適な提案を行っています。太陽光発電や雨水利用システムの導入により、ランニングコストを30%削減した住宅事例もあります。
「建築費は抑えたいが質は落としたくない」という相談を受けることが多いと、代表は語ります。予算に応じて優先順位を明確化し、構造や断熱といった基本性能は妥協せず、仕上げ材で調整する方法を提案。DIYで対応可能な部分は施主に任せることで、建築費を2割削減した実例もあります。
地元職人ネットワークを活かした施工体制
設計事務所でありながら、地域の大工や左官職人と長期的な協力関係を築いているため、設計意図を正確に理解した施工が可能です。特に木造住宅では、50年以上の経験を持つ宮大工との連携により、伝統工法と現代技術を融合させた構造を実現。左官工事では、珪藻土や漆喰といった自然素材の特性を熟知した職人が、季節や湿度を考慮した施工を行っています。こうした職人技術の継承も、STUDIO.Hの建築活動の重要な側面となっています。
正直なところ、地域の職人不足は深刻な課題だと感じました。しかし、STUDIO.Hでは若手職人の育成にも協力し、技術指導や仕事の紹介を通じて地域の建築技術水準向上に寄与しています。


